2005-09-18

かなしさ

かなしさは、互いに共振するものが見当たらないとき、解決策の見当たらないときに突然訪れる。なぜわからないのか、相手の力の誇示、拠ってたつ根拠、言葉の意味、あふれる情感をあざわらうかのように壁となって立ちはだかる社会が、約束が、法令がかなしさを倍化させる。冷静にコントロールされた頭脳にも理解の及ばないかなしさ。人がかならず経験する感情のたかまりが、かなしさの背後に厳然と存在する。そして、ほとんどすべての人がこの悲しさの経験を糧に残りの人生を過ごしているのだ。勝者にはわからないかなしみの中で。

2005-09-10

合理的であること

合理的であることは正しいことと同義だろうか。
合理的にものごとを判断することは正しい判断となるだろうか。現代の生活環境では合理的にものごとを決め、判断していかないとますます住みにくくなるという現実がある。年寄りには世の中が狭くなっていく実感がある。これはどういうことだろう。合理的なしかけがそれを利用する人と利用しない人を分割し、階層化しているわけだ。情報が遮断され、利便性から取り残されるために世界が狭くなっていく。合理的というしかけの中には合理的でないという範疇がかならず含まれる。ここに問題の発生の原因がある。